予防歯科の重要性と効果 Importance and effects of preventive dentistry
虫歯や歯周病にかかりにくい口腔内環境をつくり、例え虫歯や歯周病になったとしても、それ以上の進行をくい止めることは非常に重要です。早期発見し早期に治療すれば、歯科医院に通院するにも気分は軽くなり、歯科へのイメージも変わるのではないでしょうか。ここでは、予防歯科の重要性についてお話していきます。
当院ではPMTCによる月に一回のメンテナンスをお勧めしています
PMTCとは専門家である歯科医師や歯科衛生士による(Professional)、専門の器械を使用して(Mechanical)歯を(Tooth)清掃する(Cleaning)、プロによる機械的歯面清掃の略です。歯に定着した汚れやプラークの原因となるバイオフィルムを専門の機器と技術を使って除去する最新のクリーニング技術です。通常のホームケアでは届かない歯と歯の間にある細菌バイオフィルムを、特殊な専用機器と微細な研磨剤(パウダー)を用いて徹底的に取り除きます。
PMTCでは歯面清掃を行う「エアフローシステム」と歯周ポケット内を清掃する「ペリオフローシステム」の2つの機能から成り、これらを行うことで虫歯の予防だけでなく、歯周病対策にも非常に効果的です。定期的にPMTCを行うことで、健康な口腔内の維持につながり、日常的な口臭対策や歯の健康維持の方法として活用されています。
エアフローシステム
微細パウダーとウォータースプレーによる色素沈着やプラークの除去を行います。通常のクリーニングで使用するラバーカップ(研磨器具)やブラシでは届かない歯と歯の間など細かい箇所まで微細なパウダーが入り込み、着色やプラークを除去して滑沢な歯面にします。
電子顕微鏡でも、通常のクリーニングを行なった場合よりも高い研磨性が確認され、歯面がつるつるになる感覚が体感できます。矯正治療中の方のクリーニングにも最適です。
ペリオフローシステム
歯周ポケット内のプラークや歯周病菌を除去します。ペリオフローは、超微細なアミノ酸を高圧で噴射し、歯根表面にこびり付いたプラークを徹底的に取り除きます。
使用するアミノ酸は非常に微細な粉末であり、アミノ酸自体が水分と同様に人体を構成する基本的な栄養素であるため、安全性が保証されています。インプラントを埋入されている方のクリーニングにも利用できます。
PMTCの手順 Flow
口腔内のチェック・検査
お口全体を詳しく観察し、虫歯や歯周病の程度だけでなく、咬み合わせや顎関節の異常や変化の有無、日頃のブラッシングの状況を確認します。
歯周ポケット測定検査や歯垢付着状況をチェックします。そのデータをふまえ、施術前に先ずは今抱えている不安や困っていること、ご希望を充分伺った上でお口の状況に照らし合わせ、メンテナンスのプランニングを立てていきます。
歯石の除去(スケーリング)
歯石の付着があれば手用器具や超音波機器を使い、丁寧に取り除いていきます。毎月来院されていれば、歯石は固くなっておらず、除去は容易です。
歯面の汚れ除去
歯の表面に付着した汚れ、着色(ステイン)や歯垢をエアーフローやブラシを使って落とします。
歯の清掃
歯面から通常ブラッシングの難しい歯間部や歯のネック部を、クリーニング用研磨ペーストで磨きツルツルにしていきます。ブリッジの下やインプラントのつけ根、歯根の露出部などを歯間ブラシやデンタルフロス、スーパーフロスといった補助的清掃用具で徹底的にきれいにします。PMTCの併用で効果は倍増します。
予防歯科の重要性について
虫歯や歯周病になりにくい
定期的に来院される度に、お口の中を専門家の目でチェックします。良好な環境が維持されているかの確認、もし虫歯や歯周病に移行する状況をチェックしても軽度の段階での治療で対応できます。
これは通院回数を最小限にできますので時間はかからず、長い目で見ても費用面で有益です。当然麻酔を必要としたり痛みを伴う治療も回避できます。
爽やかなお口で過ごせる
ご自身では手が行き届かない部分の歯垢や、取り除きにくい汚れを専門の器具や機械できれいに清掃していきますので、お口の中がスッキリ爽快になりますし、見た目にも審美性が向上します。
健康的な生活
最近は人生100年時代とも言われておりますが、健康寿命を延ばすことが話題にあがるようになっています。そこで、影響があるのは咀嚼がしっかりできる状況にあるか否かです。栄養豊富な食物を充分に嚙み砕き、すりつぶして消化器に負担をかけないで吸収できるようにすることです。
固い物も気にせずに食せれば会食時にも会話に積極的に参加できます。笑顔を躊躇することなく、表情も明るくなり活力が沸くでしょう。しっかり噛めることは側頭部の筋肉がよく動くことでマッサージ効果が出て認知症予防にもつながるという結果が出ています。
精神的安定と自信
虫歯や歯周病になって歯を削ったり、抜いたり人工物を入れるといった姿勢に比べ、お口の健康を保つためによりよい口腔環境にしようとするのでは、当然ストレスのかかり方が違います。
そして自分の身体を自分自身で大切にしようとしている、その自分の姿勢は自信に繋がるはずです。治療に使う費用はある意味消費に近いもの、予防に支払われる費用は自分自身の身体に対して投資したものになると考えます。
虫歯のセルフケア
ブラッシングについて
スクラッピング法
歯ブラシの毛先を歯面に直角に当て左右に小刻みに動かす方法です。プラーク除去効果が高く歯肉を傷めにくいという長所はあります。
大きく動かしたり力強くなることに細心の注意が必要です。特に咬む面を磨くのに最適です。歯が健康ないしは軽度歯周炎の方におすすめです。バス法
毛先を歯根方向に45度に傾けて歯と歯間の境目に当てます。毛先の先端が歯周ポケット内に少し入り込みます。そして左右に振動させながら動かしていきます。歯のつけ根部分や歯周ポケットの入口付近のプラーク除去効果が期待できます。
歯肉の腫れや出血や歯周ポケットが深い場合に適していますが、力を入れ過ぎたり動きが大きくなると歯肉を傷めつけます。歯肉のマッサージ効果もあります。
歯間ブラシ
歯ブラシでは毛先が届きにくい歯と歯の間や連結された歯間、ブリッジの下部等の残された歯垢を取り除く小道具です。重度の歯周病で歯茎が下がり、歯間が広く空いている方には有効です。
但し、挿入方向が誤っていたり、サイズが合っておらず大き過ぎても小さ過ぎても効果が出にくいばかりではなく歯肉を傷めてしまうことがありますので、分からない時はお気軽にご相談下さい。
デンタルフロス
歯と歯の間は歯ブラシの毛先が当たりにくく、隣の歯と接触している部分は歯間ブラシでも届かないので歯垢が残りやすいのです。
そこでデンタルフロスを歯と歯の間に入れて、上下に動かして歯垢を取り除きます。しかし、歯茎の方に動かし過ぎると歯肉を傷めるので注意が必要です。フロスには糸巻きタイプやホルダータイプ(F字・Y字)などありますので、個人に合わせてご提案しています。
歯科医院で行う
睡眠時無呼吸症候群
(SAS)治療
睡眠時無呼吸症候群
(SAS)治療
「いびきが大きい」「朝起きても疲れが取れない」「日中に強い眠気を感じる」などの症状は、睡眠時無呼吸症候群(Sleep apnea syndrome:SAS)のサインかもしれません。SASは、睡眠中に10秒以上の呼吸停止が一定回数以上起こる状態で、体内に十分な酸素が届かず(低酸素血症)、脳や体に負担をかけます。放置すると、睡眠の質が低下して日中の眠気が強くなるだけでなく、高血圧や心筋梗塞、脳卒中、動脈硬化、糖尿病などの合併症リスクも高まります。特に重度のSASでは、約7〜8年での死亡率が40%近くに達するとされ、早期の対応が重要です。
SASの原因
SASの原因の多くは、舌の根元(舌根)が気道に落ち込むことや、扁桃腺の肥大などによって気道が塞がる閉塞型SAS(Obstructive sleep apnea syndrome:OSAS)です。日本では推定300万人がSASと考えられていますが、実際に治療を受けているのは1割未満とされ、いびきだからと軽視するのは危険です。重大な病気を防ぐためにも、早めの受診が推奨されます。
歯科医院ではスリープスプリント(口腔内装置)を用いた治療が可能です。この装置は睡眠中に下顎や舌を前方に固定し、上気道を広げることでいびきや呼吸停止を防ぎ、正常な睡眠をサポートします。スリープスプリントは患者様の歯型に合わせてオーダーメイドで作製され、有効率は約70%と報告されています。
さらに、減量による気道周囲の脂肪減少、就寝前のアルコールや喫煙の制限、横向きでの睡眠(抱きまくらの活用など)など生活習慣の改善と併用することで、より高い効果が期待できます。
治療用
マウスピースについて Type
いびきや睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療方法の一つとして、身体への負担が少ないマウスピース(スリープスプリント)治療を行っています。この治療法は、就寝中に下顎を適切な位置に保つことで気道を確保し、いびきや無呼吸の軽減を目指します。治療にあたっては、「保険適用のマウスピース」と「自費治療のマウスピース(ソムノデント)」の2種類があり、それぞれ特徴や適応が異なります。ご自身の症状やご希望に合わせて、無理なく続けられる治療をお選びいただけます。
特徴
上顎と下顎のマウスピースが一体型(固定式)の構造
メリット
保険適用のため、費用を抑えられる
デメリット
顎を動かせない
上下が固定されるので装着中に顎を動かすことができず、違和感を覚える場合があります。
顎関節に負担が
かかることがある使用状況によっては、顎の痛みや疲れを感じることがあります。
細かな調整ができない
下顎の位置調整ができないため、長期間の使用で合わなくなるケースがあります。
咳や唾液の飲み込みが
しにくい口が固定されるため、装着中の咳や嚥下が難しいと感じる方もいます。
特徴
上顎用・下顎用が
分離した構造装着したまま口や顎を
動かすことが可能
メリット
顎への負担が少ない
自然な顎の動きができるため、顎関節への負担を抑えやすい設計です。
咳・嚥下・軽い会話が
可能就寝中も違和感が少なく、安心して使用できます。
下顎の位置を微調整
できる症状や経過に合わせて細かな調整が可能なため、長期間の使用にも適しています。
装着感が良く、継続しやすい
圧迫感が少なく、無理なく使い続けやすい点が特徴です。
デメリット
自費治療となるため、保険適用のものに比べ費用は高くなる
※症状や治療目的によっては、医療費控除の対象となる場合があります。
治療をご希望の方へ
保険適用をご希望の場合、医科医療機関での検査・診断が必要です。受診後に発行される診療情報提供書(紹介状)をご持参ください。
※診断書がない場合、保険適用での製作はできません。
「いびきが気になるけれど、治療が必要だろうか」「どちらのマウスピースが合うのかわからない」このような場合も、お気軽にご相談ください。診断書がない場合でも、いびき対策として自費治療でマウスピースを製作できます。患者様一人ひとりの症状や生活スタイルに合わせて、無理のない治療方法をご提案いたします 。
ケガを防ぎながら
パフォーマンスを高める
スポーツマウスピース
スポーツマウスピース
市販のスポーツ用マウスピースの多くは柔らかい樹脂で作られており、手軽に使えるのが特徴です。しかし、口を大きく開けると外れやすかったり、サイズが合わずに話しづらくなることもあります。そのため、プレー中に集中力が途切れ、十分に力を発揮しにくくなる場合があります。
歯科医院で作るマウスピースは、歯列や咬み合わせを精密に型取りして製作されるため、口の中にしっかり収まり、ずれにくく装着時の違和感も少なくなります。また、発声や呼吸を妨げることが少なく、長時間の使用でも自然に装着できます。さらに、歯や顎への負担を軽減する設計になっており、衝撃を受けた際の歯の損傷や顎関節のトラブルの予防にもつながります。競技種目に合わせて厚みや素材を調整できる点も、歯科医院製作ならではのメリットです。
マウスピース使用中、強く歯を食いしばるため表面は徐々にすり減っていきます。摩耗や破損が進むと保護効果が低下し、逆にケガの原因となることもあります。そのため、少なくとも年に1回は定期的なチェックを行うことが推奨されます。成長期の場合は、顎の成長や歯並びの変化に合わせて、2~3か月ごとの確認や調整が理想的です。